ドラムの耳コピの方法やコツが知りたい!そんなあなたへ。
僕は学生時代、軽音楽部でいくつものバンドを掛け持ちしていました。
ドラムで耳コピした曲は学生時代だけでも100曲以上あります。
YouTubeを始めてからは1年間で140曲以上を耳コピで演奏して投稿してきました。
そんな私が、耳コピの方法やコツについて語ります。
1.ドラム耳コピの前に音源を聞きまくる
本格的な耳コピ前に、音源を出来るだけ聞いておくと耳コピが楽になります。
コピーする曲が決まったら、すぐに音源を手に入れましょう。
通勤通学などの時間を使って1回でも多く聞いておきましょう。
寝る時や、作業中に流しておくだけでも違います。
当たり前ですが、1回聞いたことある曲よりも、10回聞いたことある曲の方が耳コピしやすいです。
1-1.ドラム耳コピ4つの要素
音源を聞くときのコツは、4つの要素を意識する事です。
ドラムを叩くのに必要な曲の要素は4つあります。
- 曲の構成
- リズムパターン
- フィル
- キメ
少し詳しく解説します。
1-1-1.曲の構成
曲は、複数のセクションで構成されています。
具体的には、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、静サビ、サビ、サビ2、アウトロなどです。
何となく聞いている内に、曲の構成までは覚えられると良いです。
1-1-2.リズムパターン
リズムパターンとは、ドラム演奏する時に繰り返し演奏するリズムのことです。
主にハイハット、スネア、バスドラムで演奏されます。
例を出すと、8ビートが有名です。
色々なリズムパターンがありますので、初心者の内に一通り練習しておくことをオススメします。
僕は軽音楽部に入部した際に、リズムパターンをメチャクチャ練習しました。
リズムパターン100連発の動画
1-1-3.フィルイン
フィルインは、曲の展開が変わる部分でドラムがタムなどを叩く部分です。
叩いていて楽しいですし。ドラマー冥利に尽きる場面ですね。(リズムも大切ですが、やっぱりフィルインが楽しい!)
定番のフィルインは1回聞いてわかるくらいにしておくと楽になります。
フィルイン100連発の動画
1-1-4.キメ
キメとは、その曲特有のリズムです。
例えば、シンコペーションなどです。クウとも言われます。
4拍目の裏とかでシンバルを叩くようなやつです。
ぶっちゃけこれ、基礎練習として練習しているドラマーはあまりいないと思います。
曲の練習を通じて始めて練習することが多いです。僕はそうでした。
しかし、先に一通り練習しておくことで、耳コピスキルの圧倒的成長が期待できます。
シンコペーション100連発の動画
僕のYouTubeチャンネルでは、リズムパターン、フィルイン、シンコペーションの100連発動画をそれぞれ用意しています。
シンコペーションの動画って、再生数が滅茶苦茶少ないです。
初心者であるほど、重要性に気付いていないんです。(僕もそうでした)
周りを出し抜きたい初心者ドラマーは是非チャレンジしてみて下さい。
耳コピで詰まるのって大体ここですから、、、
1-2.4つの要素を掛け合わせよう
耳コピは、4つの要素を掛け合わせて覚えます。
具体的には、曲の構成×(リズム、フィルイン、キメ)で覚えていきます。
例えばこんな感じで曲を聴いておきます。
・全体的に8ビートだな
・Bメロのリズムにタムを使っているな
・Bメロの小節数が区切りが悪い(9小節あるな)
・サビはライドシンバルで刻んでいる
・2番のサビの終わりは3連符のフィル
・アウトロでキメが多い
・キメの間にフィルインがある
2.耳コピは4段階に分ける(実践編)
ドラムの耳コピは4段階に分けて行います。と先ほど記載しました。
順番はこんな感じでやります。
- 構成
- リズムパターン
- キメ
- フィルイン
注意点としては、キメとフィルインの優先順位です。
キメの優先順位をフィルインより高くしています。
フィルインは、隙間を埋めたり、曲の展開を演出するドラムの役割です。
キメは曲そのものなので優先順位を高くしています。
それでは、楽譜を書いて実践していきます。
2-1.構成
曲の構成と小節数を耳コピしてメモしていきます。
2-1-1.構成と小節数の具体例
こんな感じで書いていきます。
イントロ8
Aメロ8
イントロ4
Aメロ8
Bメロ8
キメ1
サビ16
Gt.solo16
サビ8
サビ8
アウトロ16
キメ1
2-1-2.構成を耳コピした楽譜の画像
画像の赤線部分です。
耳コピの楽譜作成は、自分で見て思い出せれば良いです。
楽譜にこだわらず、ノートでも大丈夫ですよ。
(とか言って僕は最近100均で楽譜を見つけたので5線譜に記載しています!)
2-2.リズムパターン
リズムパターンを耳コピします。
基本的に、リズムパターンから耳コピしていきます。
理由は、リズムパターンがドラム演奏の8割くらいを占めるからです。
練習もリズムパターン最優先をオススメします。
フィルインや、キメは、後回しでも構いません。
2-2-1.リズムパターンを耳コピした楽譜の画像
左のA8は、Aメロが8小節ということです。
まず1小節目は普通の8ビートです。
(ドドパツドドパツ)
2、3小節目は1小節目と同じなので書いてありません。省略してます。
4小節目にバスドラムのパターン変化とハイハットオープンが入ります。
5小節目は1小節目と同じパターンですが、簡略化のためにバスとスネアをなんとなく記載してます。
6小節目はバスドラムに変化があり、
7小節目に1小節目と同じパターンに戻り
8小節目はフィルインです。(画像欠けてて申し訳ありません)
この曲は少し変化多いですが、簡単な曲であれば、各構成の1小節目のパターンのみを書くのみで終わることもあります。
2-3.キメ
キメとは、皆で同じ(全くの時もあれば大体の時もあり)リズムを演奏する事です。
2-3-1.キメの具体例
キメの具体例として、動画にまとめてみました。
ちなみにシンコペーションとは、強拍が裏などにズレることです。
キメは、単純に4分音符の連続を使うこともあれば、シンコペーションを使って複雑なリズムにすることもあります。
キメは曲によって量や複雑さが異なります。
シンプルなキメであれば、シンバルやスネアを他の楽器と同じリズムで叩く形となります。
このキメと、後述するフィルインによって耳コピの時間が決まります。
(30分で終わる曲もあれば4時間掛った曲もありました)
キメとフィルインは絡み合っている事もあります。
挫折したくなる事もあると思いますが、頑張りましょう。
2-3-2.キメを耳コピした楽譜
キメを耳コピした楽譜を載せてみます。
(先ほど紹介したアジカンじゃなくてスミマセン)
7小節のアウトロ(曲の終わり)をコピーしてみました。
(一番左に『Out7』と記載し、アウトロが7小節だよ、と現わしています)
1小節目は8分音符が書いてありますが、これはドドパツドドパツです。
覚えてしまっていたので、簡略化してあります。
2小節目にキメ
3小節目にリズムパターン
4小節目にキメ(+フィルイン)
5小節目にリズムパターン
6小節目にキメ(+フィルイン)
7小節目にシンバル伸ばしで終わり
なんじゃこりゃ、って感じですが、キメが複雑になるほど楽譜の情報量が多くなります。
曲によっては1列に8小節ではなく、1列に4小節記載することもあります。
2-4.フィルイン
最後にフィルインを耳コピしていきます。
優先順位が最低の4段階目としましたが、リズムパターンや、キメと一緒にコピーしてもOKです。
フィルインは、リズムパターンの最後やキメの合間に登場することが多いです。
僕は、すぐに聞き取れるフィルインは、リズムパターンやキメをコピーする時に一緒にコピーしています。
長かったり、複雑で聞き取りにくいフィルインは、最後にじっくり聞きこんでコピーします。
フィルインは耳コピの負担が大きい割りに、演奏時間は短いです。
完全にコピーしなくても曲として問題なく成り立つことも多いです。
反対に、曲の象徴となるようなフィルインもあります。
例えば、アジカンのドラムはスネアのアクセント移動のイメージが強いです。
2回目のAメロに戻る前のアクセント移動高速フィルインはしっかりコピーしたいですね。
3.耳コピのコツ
3-1.動画で耳コピしてみる
頑張って耳コピするよりも、他人が叩いてみた動画を見る方が100倍速く耳コピ出来ます。
YouTubeやニコニコ動画などで、多くの人が叩いてみた動画をアップロードしています。
百聞は一見に如かず、とは耳コピの為にあるような言葉です。
注意点としては、適当に叩いている可能性があることです。
決して鵜呑みにはせず、音源と聞き比べてみて下さい。
叩く人によって解釈が変わってくるのもドラムの面白い部分ではあります。
また、バンドのドラマー本人のプレイもライブ映像やPVで見る事が出来ます。
ドラムが目立つ所は、ドラマーがアップにされる事が多いです。
こちらも、音源とPVでプレイが違う事があります。
PVだと3点セットで叩いていたり、タムが無いなんてこともあるので注意しましょう。
3-2.スネアとバスドラムに着目する
主に、リズムパターンを耳コピする時に使える方法です。
スネアだけ、バスドラムだけ、ハイハットだけ、など
1つの楽器に着目してコピーすると少しずつ全体像が見えてくる事もあります。
3-3.リズムから耳コピする
フィルインで色々な楽器を連打して叩いているけどよくわからない場合、
まずはリズムだけからコピーしてみましょう。
スネアなのかタムなのかは後から考えるということです。
3-4.複雑なフィルインはお尻から耳コピする
複雑なフレーズの場合は、お尻(後ろ側)から耳コピしていく方法があります。
頭から順番にコピー出来ればベストですが、確実に聞き取れる所を少しずつ耳コピして
流れを確認しながら耳コピを進めていく方法もあります。
3-5.引き出しを増やす
ドラムの耳コピにおいて、引き出しが多い事はとても有利です。
言い換えると、引き出しの多さ=耳コピの力と言えます。
リズム、フィル、キメの全てにおいて、今までにどれだけ多くの種類のフレーズを叩いたことがあるかが戦闘力になります。
楽器を演奏する事は、言葉を話す事と似ています。
例えば、英語を勉強したてでアルファベット26文字を覚えたての人がいたとします。
その人がappleという言葉を見ても、単語を知らなければ、
エー・ピー・ピー・エル・イー
という5文字のアルファベットの羅列と捉えるでしょう。
一方で、義務教育を受けた多くの人は、
りんご
と認識すると思います。
言葉を学習すると、
ストレスが無く、スムーズに快適に、記憶する事ができます。
ドラムも同じように、経験を積むことで、
耳コピがスムーズに出来るようになります。
例えば、以下のような8連打のフィルがあります。
”スネアスネアハイタムハイタムロータムロータムフロアフロア”
ドラムを数か月練習していれば、
”タタトトテテトト”
くらいの認識になるでしょう。
熟練者になれば
”タム回し”
くらいの認識にできます。
「あぁ、あれね」くらいで叩けるフレーズが、自分の中にあるドラムの引き出しです。
この引き出しの量が、ドラムのレベルの差にもなるのです。
いちいちリズムやフィルやキメに名前がある訳ではありませんが、
引き出しが増えるにつれて自然と「ああ、Aメロはアレね」となっていくものです。
3-6.悩み過ぎない
精神論ではありますが、悩み過ぎないことも大切です。
しっかり耳コピしようとすると、
ハイタムなのかロータムなのかわからない。
シンバルは16インチか18インチかわからない。
この音はライドをクラッシュさせているのだろうか。
など、悩む事があると思います。
考えてみてわからなければスパッと諦めましょう。
特にフィルインは、演奏時間が短いです。
悩む割に効果が薄いです。
もちろん、新たな引き出しが増えるメリットもありますが。
演奏時間の割合で考えると、リズムパターンが曲の8割以上を占めます。
リズムパターンをしっかりコピー、練習する事によって、
1曲のクオリティは上がります。
3-7.全て書かない
完璧主義者に多いのですが、全てを楽譜に記載するのは労力が掛かります。
既に覚えていることまでは書く必要がありません。
楽譜は思い出すための道具です。
例えば、文字だけで思い出せるフレーズやリズムパターンは文字だけ書いても良いのです。
3-8.イヤホンにこだわる
3-8-1.低音重視×カナル型
耳コピで使用するイヤホンは低音重視のカナル型(イヤーパッド付きでフィットするタイプ)がオススメです。
僕はオーディオテクニカの低音重視タイプの製品を使っています。
バスドラムの聞きやすさが全然違います。
100均のイヤホンとか使っている人は、イヤホン変えるだけで世界が変わると思って下さい。
イヤホンが高ければ高いほど良いのでしょうか?
僕の意見としては、5000円程度までのイヤホンは、ハッキリと違いがあります。
1万越えのイヤホンは正直僕には違いがよくわかりませんでした。
3-8-2.ヘッドホン最強説
僕は自宅で耳コピする時にはヘッドホンを使っています。
ヘッドホンの方がイヤホンよりも音質が格段に良いです。
イヤホンに比べると特にハイハットのオープンクローズ、タムが聞き取りやすくなります。
1万円のヘッドホンは3万円のイヤホンより音質が良い、なんてヤ●ダ電機の店員さんが話していました。
ヘッドホンは低音と高音の聞きやすさが両立されています。
4.おわりに
ドラムには、リズム、フィル、キメともに鉄板(あるある)フレーズがあります。
超初心者の場合は、耳コピ前にそちらを練習した方が良いかも知れません。
しっかり耳コピすることは辛いです。
しかし、そのフレーズがモノに出来たとき、ドラマーとして一段階レベルアップします。
言い換えると、テキトーに耳コピして自分の引き出しの範囲内でプレイしていると、
どれだけ時間をかけても引き出しという面では成長できません。
もちろん、ドラムは引き出しだけはなくて、リズム感そのものも重要ですので、下手に難しいフレーズをやるよりも、シンプルなものをより良いリズムで叩く、という発想を否定するつもりはありません。
僕はバランスよく練習するタイプです。
以上となります。ありがとうございました。