ドラム初心者にとって、バスドラムを演奏する事は難しいですよね。
どんな踏み方にも共通するたった一つのコツがあります。
それは、バネ(スプリング)の動きに合わせて踏む事です。
動画版はコチラ↓
1.バスドラムはペダルのバネ(スプリング)に合わせて踏もう
バスドラムを攻略する為の一番のコツは、バネ(スプリング)に合わせて踏むことです。
バスドラムを演奏する為のフットペダルにはバネ(スプリング)がついています。
一つ打ちだろうが、二つ打ちだろうが、ツーバスドコドコしようが
全ての奏法においてバネの動きに合わせて踏む事は共通なのです。
バネに合わせるって、結局どういうことなの?という声が聞こえてきそうです。
ペダルだけに着目して解説してみます。
1-1.ペダルを踏む前にビーターが手前にある状態にする
ペダルをバネに合わせて踏むためには、
ペダルを踏み込む(=ショットする)直前にビーターが手前にある状態にします。
画像は指でビーターを手前に引っ張った所です。
手を離すと赤い矢印方向にビーターが向かっていきます。
この状態で踏み込むと、踏み込む脚の力とバネの力が合わさったパワーが出ます。
1-2.準備としてビーターを奥に倒す
バスドラムのペダルは足だけで操作します。
先ほどの画像だと、手の指を使ってビーターを手前に持ってきていました。
足だけを使ってビーターを手前に持ってくるには、一度軽く踏み込んで奥にビーターを倒します。
この時に脚を離せば、ビーターがバネの力で手前に返ってきます。
ペダルに何も触れていない時の角度の写真も載せてみます。
この角度よりも手前に返してからペダルを踏み込む(=ショットする)ようにしましょう。
1-3.ペダルのバネ(スプリング)使い方まとめ
ペダルのバネを上手く使うには、両方向のパワーを使う必要があるってことですね。
ビーターの位置的には、
初期状態→奥(打面側)→手前→バスドラムにヒット!
という4つの状態遷移が起こります。
『バスドラムを打つ!』という1回の作業でありながら、色々なことが起こっているのです。
まだ上手く踏めない方のために、もう少し奏法を解説してみます。
2.ヒールアップ奏法の踏み方
ヒールアップ奏法の踏み方を解説していきます。
ヒールアップ奏法とは、バスドラムの代表的な踏み方です。
踵(ヒール)を上げた奏法なのでヒールアップ奏法と呼ばれています。
対義語は踵を下ろしたヒールダウン奏法があります。
とりあえず初心者の方はヒールアップ奏法をしてれば問題ありません。
僕もヒールアップ奏法しか使っていません。
(ジャズやる人はヒールダウン奏法も練習した方が良いかもしれません)
2-1.レディポジション
レディポジション。初期状態です。
ビーターがバスドラムに軽く当たるくらいの状態にします。
力んでいようがリラックスしていようがどちらでも構いません。
ただし、以下の写真のように、踵を上げすぎることは基本的な踏み方としてはNGです。
理由は、次に足を上げる事が出来なくなってしまうからです。
ワンモーションで踏むことが出来て便利です。
冒頭のYouTube動画内で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
まとめると、以下の2点の条件が満たされていればOKです。
・ビーターがバスドラムに触れている
(=振り上げの為のバネのエネルギーが溜まっている)
・踵が極端に上がっていない
(=足を上げる動きが出来る状態である)
2-2.足を上げる
2-2-1.使う筋肉の確認
足を上げる際には、使う筋肉がポイントとなります。
太ももや足の付け根の筋肉は使いません。
ふくらはぎの外側あたりの筋肉を中心に使います。
背伸びをしたり、小さくピョンピョンと飛び跳ねたり、貧乏揺すりをする時に使う筋肉です。
実際に背伸びをして確認してみて下さい。
この筋肉はとても強靭で丈夫です。
普通の人は片足で背伸びをしても全く問題ありませんよね。
人間の体重、60kgを支えるのも余裕です。
バスドラムを演奏する場合に上げる脚の重量は、膝から下と太ももの一部です。
おそらく10kg未満でしょう。
60kgを余裕で支えられる筋肉が、10kgの膝下を何度も上げても何の問題もありません。
普通の生活している人は、バスドラムを踏んでも筋肉痛は100%起こりません。
2-2-2.バスドラムを演奏する際の足の上げ方
ペダルに乗せた足を上げるためには、背伸びをする時の筋肉を使い、
小さく素早くピョンとジャンプするように上げます。
足を上げた時に、ビーターが初期状態よりも
手前まで振れるようにします。
この手前まで振れたビーターが戻る力に合わせて踏む事になります。
ちなみに、上げた状態を維持することは出来ません(やりません)。
弱く踏みたいなら小さくジャンプ、強く踏みたいなら大きくジャンプ、のように、足の振り上げて強さをコントロールするイメージです。
言い換えると、脚を上げた瞬間に音のタイミングや強さが決まってしまいます。
それくらい、脚を上げるのはバスドラム演奏において重要なことです。
筋肉の話に戻りますが、やってはいけないのは、足の裏全体を水平に上にあげる動きです。
これは、足の付け根(太ももの上側)の筋肉を使ってしまっています。
この踏み方をしている人は高い確率で筋肉痛が起こります。
2-3.足を下ろす
バスドラムを実際に踏み込むためには足を下ろします。
ピョンと上げた足を下すだけです。
一度上げた足は下ろすしかないので、この項目ではほとんどコントロールが出来ません。
結果として、ビーターの動きに合わせてタイミング良く踏めているかを確認します。
足を上げた時に、初期状態よりも手前まで振れたビーターは、バネの力でバスドラ側に戻ろうとします。
この動きに合わせて下す事で、力を入れずに大きな音が鳴らせるのです。
足首って使うの?
ヒールアップ奏法では、基本的にはピョンと上げた脚全体&スプリングの力で踏みます。
足首の一番の役割は、バスドラムを打った時にふにゃっとなってパワーが逃げるのを防ぐことです。
背伸びをし続けている時の力の入れ方を、バスドラムヒット時にも一瞬やるイメージです。
また、パワーアップの為のプラスαとして足首を使うこともできます。
パワーアップの為に足首を使うなら、踏み込む瞬間の最後に少しだけグイッと押し込んでみます。
ポイントとしては、動かすのはほんの少しで良いということです。
気持ち足首のスナップ使ったかな?くらいがベストです。
1~2cmも動かせば十分にパワーアップが期待できます。
タイミングが超重要で、一番最後に足首を動かさないと足全体のパワーが使えずに、逆に弱くなってしまう可能性もあります。
3.バスドラムが上手く踏めない場合のチェックポイント
バスドラムが上手く出来ない(音が小さい)場合の、チェックポイントを紹介します。
記事前半と重複してる場合もありますが、改めて確認してみて下さい。
3-1.ビーターは振り上がってますか?
ビーターが振り上がっていないと大きな音が出ません。
ペダルに触れていない初期状態の角度よりも、ビーターを手前まで振り上げるようにしましょう。
3-2.ビーターの動きに合わせて踏み込んでますか?
ビーターのバネの戻りに合わせてペダルを踏まないと弱い音になってしまいます。
せっかくビーターを大きく振り上げることができても、タイミングが合っていないと弱い音になってしまいます。
ペダルのスプリングが強すぎると、タイミングがシビアになります。
(素早い動きに対応出来るメリットもあります)
初心者の内は、スプリングをなるべく緩めにして練習するのもオススメです。
ペダルの動きが遅くなる為、バネに合わせる動きが行いやすくなるかも知れません。
4.ドラム初心者にオススメのペダル YAMAHA FP8500C
ドラム初心者にオススメのペダルは、YAMAHA FP8500Cです。
理由は、僕が現在使っているペダルだからです。
僕はパールの最上位機種のデーモンドライブ(ダイレクト)を所持していますが、YAMAHA FP8500Cをスタジオで始めて踏んで惚れ込んでしまい、以来スタジオにペダルを持って行かなくなりました。
・・・というのが正直なところですが、具体的な理由を3つ挙げてみます。
- 軽くて素直なアクション
- ダブルチェーン
- 安価
4-1.軽くて素直なアクション
初心者の場合、軽くて癖がないペダルがオススメです。
というのは、僕が大学時代の軽音楽部の部室のペダルが重すぎて嫌だったんです。
もちろん、練習すればどんなペダルでもそれなりに踏めるようにはなります。
しかし、初心者の場合は、バンドでやる曲だけでもいっぱいいっぱいで、個人練習をじっくり出来ないこともあります。(僕がそうだった。6月にいきなり新入生ライブがあったから。)
手っ取り早くある程度踏むには、軽くて素直なペダルがオススメなんです。
4-2.ダブルチェーン
ダブルチェーンだと、左右のロスがありません。
シングルチェーンだと、左右にペダルが動きます。
これ、何が良いかと言うと、ダブルストロークを練習する時に良いんです。
気付かない内に斜め方向に力が働いていても、下方向の力に変換してくれます。
ペダルの”味”みたいなのは皆無なんですけど、初心者の内はペダルはただの道具ですから、初めてのペダルはダブルチェーンがオススメです。
4-3.安価
YAMAHA FP8500Cは比較的安価なペダルです。
シングルペダルなら15,000円切ります。
安さだけを求めれば、シングルチェーンのペダルが安いですが、コスパで考えるとYAMAHA FP8500Cを是非買って頂きたいと思います。
上達の速度まで考えると、かなり良い投資だと思います。
15,000円なら2日間アルバイトすれば手に入る金額です。
学生の方は保護者の方におねだり出来る金額ではないでしょうか。
5.バスドラムの練習
バスドラムの練習はまずは単発でコツを掴んでから、実際に手足を組み合わせて叩けるように練習します。
リズムパターンの中で表や裏拍など、様々な所にバスドラムが入っているものを練習するのがオススメです。
僕がYouTubeに投稿しているリズムパターン100連発の動画を貼り付けておきます。
リズムパターンに合わせて練習する
ブログ記事(楽譜)はコチラ↓
ドラムフレーズ集 リズムパターン 100連発
ダブルストロークを踏む方法
バスドラムを素早く2回連続で踏むには、ダブルストロークという技術を使います。
バスドラムのダブルストロークはいくつか種類があります。
僕がオススメするのはヒール&トゥ奏法です。
別記事にて詳しく書いていますので、興味のある方はぜひ見てみてください。
バスドラムのダブルのヒール&トゥ奏法(ヒールアンドトゥ奏法)【やり方解説】
おわりに
バスドラを《踏む》と表現するとワンステップに聞こえますが、
実際は振り上げの動作が重要です。
なぜなら振り上げた時点で振り下ろすタイミングが決まってしまうからです。
バスドラムについては、段取り八分どころか段取り十分と言っても過言ではない気がします。
そして、初心者に限らず上達の壁に当たる時は振り上げ方で改善することが多いとも思えます。
以上となります。
最後までご覧頂きありがとうございました。