私は高校時代の3年間を吹奏楽部、
大学時代の4年間を軽音楽部で過ごし、
社会人になってからは高校のOB吹奏楽団や、バンド活動、ニコニコ動画やYoutubeへの叩いてみた動画投稿などを行なってきました。
↓Youtubeチャンネルへのリンク↓
https://www.youtube.com/channel/UCljWc1MR1jOf1f_IAi_YcrQ
私のドラムの実力は置いておきまして、
経験した音楽の幅は広いのかなと自負しております。
吹奏楽部と軽音楽部のドラマーについて、議論が行われる事もありますが、
結局のところ、上手い人はどちらでも上手いと思います。
しかしながら、初心者~中級者での成長段階では、すこし特徴が違うと思いましたので、自分の成長の過程で感じた事を紹介します。
1.スネアのオープンリムショットの扱い
スネアのオープンリムショットの使い方が異なります。
軽音楽部が頻繁に演奏するような、ロックバンドのドラムの場合、
スネアドラムを叩く=ほぼオープンリムショットです。
一方、吹奏楽におけるオープンリムショットは強力なアクセントのイメージが強いです。
楽譜(譜面)上で明確な指示が無い限り、演奏してはいけないような風潮があります。
私自身は、軽音楽部を経験してからは、吹奏楽のドラムにおいてもオープンリムショットを少しずつ入れるようになりました。
具体的には、フィルインや、サンバ系のリズムパターンで浅めに入れる、などです。
吹奏楽曲でのリズムパターンにおいて、常にオープンリムショットを入れる事については未だチャレンジしておりません。
50人を超える大編成(音量的に必要)やディープパープルメドレー(音色的にふさわしい)を演奏する機会があれば、是非リムショットをバンバン入れたいと思ってます。
(FUZZY CONTROLと言うバンドのドラマーであり、手数王菅沼孝三の娘でもあるSATOKOさんが吹奏楽団で叩いている動画がYOUTUBEにありましたので、検索してみて下さい)
2.リズムを刻む手の速さは軽音楽部が上
これは私のエピソードです。(全てにおいて当てはまるわけではありません)
高校3年の文化祭の時、有志バンドの演奏を見ました。
ドラマーはこの日の為に3ヶ月前くらいから始めたようでした。
BPM180の8ビートを苦しそうに演奏しており、リズムも崩れています。
しかし、私は思いました。『汚いけど、自分(パーカス歴2年半)よりも速い…負けた』と。
これには明確な理由があります。
何故なら吹奏楽部においてドラムのダウンアップ奏法を教えてくれる人がいなかったからです。
当時はそこまでドラムに対する情熱がありませんでしたし、速い8ビートを演奏する機会も無く、自分で調べる事もしてませんでした。
吹奏楽部の打楽器パートにおける基礎練習は練習板を用いて行われます。
このとき、遅い動きは肩から腕全体で、速い動きになる程、指でのコントロールで演奏すると教えられます。
これが完全に間違っているわけでは、ありません。
しかし、ダウンアップ奏法など、他の身体の動かし方があるのも事実です。
普通の学生でも、実際に楽器を演奏しているうちに、基礎として習ったはずの奏法から、自然とやりやすい腕の使い方に変わってることはあるはずです。
しかし、その貴重な気づきを後輩に伝えていく文化が少ないように感じるのが残念なのです。
衝撃の事実ですが、指のみを使って演奏することはほとんどありません。
指の連打が有効なのは、硬い素材の楽器をスティックのチップを使って細かく小音量で連打する場合です。
指の連打が全く使えない例として、アゴゴベルがあります。
アゴゴベルはテンポ120の16分音符で3連打4連打を演奏します。
このとき、スティックのショルダー部分で演奏するため反発を得るのが難しいです。
指を使った演奏がほぼ不可能になってしまうのです。
肘の屈伸、前腕の回内回外の動きで演奏した方が楽に叩けます。
しかし、これを教えてくれる人は、先輩、外部講師の方含め居ませんでした。
3.ドラムの楽譜はどちらも適当
楽譜はどちらも適当です。
興味深いのは、音源と楽譜が出来る順番が異なることです。
ロックバンドはCDなどの音源が先に生まれて楽譜が後から販売されます。
ロックバンドのドラマーが叩いてレコーディングした音源(CD、データ)を、耳コピして譜面化して、スコアとして発売しています。
フィルインが違ったり、ゴーストノートが違ったり、シンバルが入ってなかったり、私の感覚では7~8割のコピー具合だと思います。
適当です。
一方、吹奏楽は作曲者や編曲者が書いた楽譜が先に生まれます。
そしてそれを演奏したものが録音されて音源ができます。
基本的にフィルインがクソダサかったり(M8系)、楽譜にアドリブやフィルインとだけ書いてあったり(ニューサウンズ系)します。
適当です。
同じ適当でも、前者(ロックドラム)は楽譜の耳コピが適当、
後者(吹奏楽)は作曲者のドラムフレーズに対する知識のなさが適当な譜面を産んでいます。
4.軽音楽部(ロックドラム)は音源がプロ、吹奏楽はアマチュア演奏の音源も混じる
初心者がドラムを演奏する上で意識する事は、ロックバンドの音源はなるべく忠実に叩く事でスキルアップが望めます。
プロドラマーが考えたフレーズを真似する事で、テクニックだけでなく、楽曲に対するアプローチの勉強ができます。
吹奏楽曲の場合は、一曲に対して色々な団体の演奏があります。ここ10年くらいで動画サイトでは様々な音源が聞けるようになってきました。
ドラマーは概ねアマチュアです。演奏も上手かったり下手だったり様々です。
聞き比べて、場面ごとに良いとこ取りが出来ます。
自分が最高の音源を作るくらいの気持ちで演奏しましょう。
5.吹奏楽ドラマーは楽譜に強い
楽譜に強いということは良いことです。
楽譜や教則本を見て頭の中にドラムのフレーズのイメージが浮かびやすいです。
耳コピした時に書き出す速さも違います。
つまり、時短が出来るのです。
限られた時間の中で、譜面を解釈する時間を少なくして、練習に多くの時間を割けるので、練習量が増えます。
もちろん、上手くなるかは個人のやる気次第ですが。
楽譜に弱い軽音ドラマーは積極的に耳コピして譜面を書いてみることで、
譜面に強くなれるでしょう。
アウトプット(書き出したり、教えたり)は大切です。
アウトプット出来るということは自分のモノになっているということです。
6.吹奏楽曲はアレンジのし甲斐が高い
大学(軽音楽部)卒業後、高校のOB吹奏楽団で数年演奏しました。
ドラムのアレンジがめちゃめちゃ楽しかったです。
軽音時代に色々なコピーバンドをやって引き出しが増えたことと、オリジナルバンドをやって曲に対するアプローチを考えるようになったことの2つが活きました。
吹奏楽でカッコイイドラムを叩くにはあるコツがあるのですが、また別に記事を書ければと思います。
7.吹奏楽ドラマーは主体となる気持ちが大切
吹奏楽でドラムを演奏するならば、ドラムが出すリズムに他の楽器が乗っかる(合わせる)イメージが大切です。
ロックバンドだとドラムに合わせるが当たり前です。
吹奏楽でドラム以外の打楽器を演奏する時は指揮者にテンポを合わせるイメージです。
ドラムは主体となってリズムを出すので、少し違う演奏感覚が求められます。
具体的には、周りを聞かずにゴーイングマイウェイです。
その方が上手く行きます。私は。
聞いてから音を出すと遅れます。
実際には、答え合わせとして聞いてはいます。
また、吹奏楽ではドラムと指揮者の信頼関係は大切です。
具体的には、テンポはドラムのプレイヤーに任せてもらうということです。
しかしながら、なかなか自分でそんなことを言い出すのも難しいと思います。
そんな時は、「ドラムの音量どうでしたか?」や「ドラムのリズムは指揮の打点に合ってましたか?」と質問してみましょう。
勘の良い指揮者なら、「リズムはドラムに任せるから頼むよ」なんて言ってくれると思います。
私はこれまで6~7人の指揮者の元でドラムを演奏して来ましたが、どの方もそんな感じでした。
8.吹奏楽ドラマーはドラムを叩く時間が無い
吹奏楽部員は夏のコンクールをメインに、秋に文化祭、冬になんかのコンサート、春に定期演奏会や卒業式入学式で演奏会します。
私が所属していた高校では、5月~7月はドラムセットをしまっていました泣
吹奏楽部は打楽器が沢山あります。
曲中で楽器間の移動がある為、コンクールの本番と同じ配置にして移動の練習も行います。
その為、スペースが狭い場合、使用しない楽器は仕舞ってしまうのです。
また、吹奏楽部員は個人練と同じくらい、場合によっては個人練習よりも合奏の時間が長いです。
そして、合奏も延々と演奏する訳では無く、仕事で言うと会議(打ち合わせ)の要素が強いです。
長い会議(公開処刑有り)のせいで資料作成が終わらない。
長い合奏(公開処刑有り)のせいで個人練習が捗らない。
なんか日本って残念ですね。
まとめ
学生時代に単純にドラムをやりたいなら軽音楽部に入った方が良いです。
沢山ドラムを叩く時間があるので、楽しいし上手くなります。
しかしながら、ある程度スキルが身につくと、吹奏楽の演奏もアレンジのし甲斐があって楽しいです。
吹奏楽ドラマーがある程度のスキルを身に付ける手段の一つとして、
Youtubeにドラムのフレーズ集を投稿してみました。
ドラムの達人とネーミングしました。
よろしければチャンネル登録の上、再生リストよりご覧いただけると嬉しいです。
ブログでもまとめページを作成しております。