ドラムのダウンアップ奏法(アップダウン奏法)が出来ない人へ4つのコツ、考え方を紹介します。
ダウンアップ奏法の4つのコツや考え方は以下の通りです。
- アップストロークのコツ【手をアップする】
- ダウンストロークのコツ【腕で叩く】
- ダウンアップ奏法の特徴【スティックよりも腕の動きが大きくなる】
- ダウンアップ奏法の特徴【音量が小さくなる】
それでは詳しく書いていきます。
ハイハットを速く叩く上で必須のテクニックです。ぜひご覧ください。
Youtube動画版
ダウンアップ奏法のコツについて動画で見たい方はコチラをご覧ください。
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ダウンアップ奏法の概要
ダウンストロークとアップストロークを交互に行ってハイハットやライドシンバルなどを速く叩く方法。
この記事を見に来たあなたはこんなこと知っているとは思いますが、実はこの言葉にトラップがあるのです。
アップストロークへの疑問
アップストロークとは、多くの場合
低い位置から打面を叩き、高い位置までチップを持っていくストローク
と説明されています。
しかし、ダウンアップ奏法のアップストロークは、全然別物なのです。
そもそも、低い位置から打面を叩いた時点でひとつの動作としては完了(=タップストローク)してるはずです。
基本のストロークと呼ばれながら、打つ前と打った後の2つの動作をセットにしている説明なのです。
それでは、1つの動作でアップストロークを打つ方法を事項で説明します。
1.アップストロークのコツ【手をアップする】
ダウンアップ奏法でのアップストロークのコツは、手をアップすることです。
回転の中心が、スティックの先から5cmくらいの所にあるイメージです。
よくある間違いは、手首を中心にしたまま振ってしまうことです。
回転の中心=持ち手という考え方を捨てるのが第一歩です。
1-1.ダウンアップ奏法が出来ない人の叩き方
ハイハットをスティックで叩こうとしているのを横から見たイメージです。
持っている手が回転の中心(支点)となってスティックを動かしています。
指や手首でスティックの角度を少し変えれば、スティックの先端は大きく動きます。
よくある叩き方です。合理的に思う人も多いです。
もちろんこの叩き方は僕も使います。(ダウンアップ奏法以外で)
しかし、ダウンアップ奏法では全く使えません。
理由は、力点=支点(回転の中心)になっているからです。
このままだと、いくら振りの高さを変えたところで、打面の近くでは直線的な往復運動になっています。
直線的な往復運動は、同じことを繰り返すには向いていますが、速さを求めるには不向きです。
異なる複数の動き、それも円運動を絡めた動きが効率的な動作を生み出します。
(余談)
極端な例ですが、同じ人力でも、走るより自転車(車輪=円)に乗った方が楽で速いです。
もちろん、ドラムスティックを持った時点で誰しもが少なからず円運動を使っていますが、いつも同じ円だけを描くのはもったいないです。
楕円、複数の円、3Dの円、色々な円を描けるように修行中です。
1-2.回転の中心をスティック内にして叩く
ダウンアップ奏法でのタップストロークは、手をアップします。
この時、回転の中心(支点)をスティック内にします。
ハサミをイメージするとわかりやすいです。
回転の中心がスティック内にある時に、持ち手(力点)を上げると、スティックの先端は下がるのでハイハットを叩くことが出来ます。
回転の中心はおおむねスティックのショルダー部分になります。(叩くテンポによって異なります)
手で持っている位置(力点)と、回転の中心(支点)が異なっているのがポイントです。
この時、手首を少しだけ曲げたり、前腕を回転させると、速さを追加することができます。
2.ダウンストロークのコツ【腕で叩く】
ダウンストロークのコツは腕で叩くことです。
実は、ダウンアップ奏法のダウンストロークもアップストロークと同じく特殊です。
理由は、チップが上がっていない状態からアクセント音を出さなければならないからです。
ダウンストロークを行う前の状態は、
スティックの先端(チップ)はあまり上がっていません。
スティックを持っている手は上がっています。
ここからハイハットを叩くには、
腕を落とす、肘を伸す、脇を閉じる、などの動きを使います。
肩やボディ(胸)の上下を使っても叩けそうですが、腕を使った方が楽なので合理的ではないですね。
(音色は変わるのでしょうか、今度チャレンジしてみようと思います。)
ダウンストロークのイメージとしては、スティックがショルダー部分で折れてしまったと思い、
ショルダー部分をハイハットのふちにぶつけるのがオススメです。
3.ダウンアップ奏法の特徴【スティックよりも腕の動きが大きくなる】
ダウンアップ奏法の特徴は、スティックの先端のハイハットを叩く動きよりも、腕の動きの方が大きくなることです。
音量が小さいわりに、腕がたくさん動きます。
この不自然さをいち早く受け入れることがダウンアップ奏法上達の近道です。
最初は違和感があります。自分はありました。
これは、てこの原理の逆です。
大きな動きで小さな仕事を速く行うのです。
3-1.大きな動きで小さな仕事を速く行う
ダウンアップ奏法は、極端に言えば過剰な腕の動きをスピードに変換する奏法です。
例えるならば超最新パソコンでメモ帳しか使わないようなものです。
自分がドラムを始めた時に考えていたことは、
より小さい動きでスティックを大きく動かすことです。
しかし、ダウンアップ奏法は全く逆です。
大きな動きで、小さな仕事を速く終わらせる。
そのように僕は考えています。
ドラム演奏は身体の運動であって、ビジネスではありません。
仕事量(身体の動き)を少し増やしてもあなたがカロリーを少しだけ多く消費するだけで、他にデメリットはありません。
わざと大げさに身体を動かして、ドラムを叩いてみるのも新たな発見があります。
むしろ、仕事量(身体の動き)を制限して大きな結果(より速く叩く)を求めると体に負担がかかり、腱鞘炎などになる可能性があります。
4.ダウンアップ奏法の特徴【音量が小さくなる】
ダウンアップ奏法の特徴として、音量が小さくなることがあります。
まずは小さくても良いのでスピードを上げることが上達への近道です。
スピードを上げるとパワーが落ちるのはごく自然のことです。
ハイハットやライドシンバルは音が通りやすい楽器です。
スティックがぶつかればある程度の音は鳴ります。
初心者の場合は、
アクセント=ハイハットのエッジ(縁)をスティックのショルダーで叩く
ノンアクセント=ハイハットのトップ(上面)をスティックのチップで叩く
と演奏しておけば大体なんとかなります。
音楽的に必要だと思ったら、エッジだけ、トップだけでアクセントを叩き分ける練習を始めても遅くはありません。
5.どれくらいの期間で習得できるか
ダウンアップ奏法習得までの期間が気になると思いますので僕の体験談を語ってみます。
結果から言うと、約半年でBPM180程度のリライトを学祭で演奏しました。
高校時代を吹奏楽部で過ごし、大学生になり本格的にドラムを叩き始めた僕ですが、
ダウンアップ奏法の存在を知ったのは、大学1年の4月でした。
先輩のハイハットの刻みが速すぎて教えてもらったのを覚えています。
そこから地道に練習を重ね、約半年後の学園祭でBPM180(179?)のリライトを演奏したのを覚えています。
技術の習得は出来た出来ないの2択ではありません。
僕はかなり必死でしたし、力んでいましたし、テンポももたれていたかも知れません。
あれから10年以上経った現在でも、より脱力して演奏出来るように模索しています。
6.高速のダウンアップ奏法にチャレンジする動画(200BPMの8ビート)
テンポ200の高速8ビートまで叩いてみます。
7.ダウンアップ奏法は疲れるのか
『ダウンアップ奏法を練習していますが、すぐに疲れてしまいます。』
こんな意見を目にすることがあります。
僕ら人間は動いている限り、筋肉を使っています。疲れない方が不自然です。
つまり、疲れて普通です。安心してください。
動きに慣れると同じテンポでも徐々に脱力して出来るようになります。
すると、力んだ時にもっと速いテンポで叩けるようになります。
オススメなのは、2種類のテンポで練習することです。
- 限界BPMで叩く練習
- 限界BPMの80~90%で練習する
2種類のテンポで練習する目的は、速度を上げてより疲れなくすることです。
その為の手段は、ダウンアップ奏法のフォームを洗練させることです。
より無駄のない動き、つまり力まないところと力む部分、力を入れるべきタイミングを研究するということです。
ちなみに、手を招くような手首の使い方をすると腱鞘炎になるので注意してください(経験済)
回内という前腕の回転を使って演奏すると痛くなりにくいです。
8.おすすめスティック
ドラムスティックはTAMAのH214-Bを使用しています。
オールラウンドに使えるスティックだと思っていますし、現に僕はこれをメインで使っています。
同じ仕様で太さが違うバージョンもあるので、ラウド系ならH2145-B、吹奏楽ならH213-Bと使い分けています。
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おわりに
いかがでしょうか。
理論を持って練習する事で効率がグッと上がります。
youtubeには色々な動画があふれていますが、
理論的に説明している方はとても参考になりまし、私もそうありたいと思っています。
一方、こんな感じで。。。と感覚論で解説している動画でも、
スティックの先
グリップ
手首の向き
腕の向き
肘の位置
足首の角度
ひざの高さ
その他もろもろ・・・
を注意深く見る事で新たな発見があるかもしれません。
(すぐに発見出来たら誰でも世界で活躍出来てしまうので、そこがドラムの奥深さや面白さなのだと思いますが)
最後までご覧いただきありがとうございます。
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