ドラムをゼロから始めたいけど、何を練習すればいいのかわからない方へ。
初めてのドラム練習にオススメなのは、リズムパターンを叩くことです。
ドラム演奏時の9割はリズムパターンを演奏しています。
簡単、かつ実用的なリズムパターンを9種類紹介しますので、是非チャレンジしてみて下さい。
ドラムを叩く上で知っておいて欲しい情報も解説しますので、ぜひご覧ください。
ドラム演奏は3種類に分けられる
ドラム演奏時のプレイスタイルは大きく3種類に分けられます。
- リズムパターン
- フィルイン
- キメ(シンコペーション)
どんなことを練習する時でも、『今、この部分をやっているんだ』という意識はとても大切です。
超簡単に野球で例えると、バッティング、ピッチング、走塁、守備、などと分けられる感じです。
3種類のプレイスタイルについて、それぞれ解説していきます。
1.リズムパターン
リズムパターンとは、繰り返して演奏されるリズムのことです。
代表的なリズムパターンのひとつに、8ビートがあります。
リズムパターン100連発の動画
リズムパターンは無限にあるのですが、例として100連発の動画を紹介しておきます。
8ビート、16ビート、シェイクビート、と一通り演奏しています。
リズムパターンは無限に練習する必要があるのか
リズムパターンは色々な組み合わせで膨大な数になりますが、全てを練習することは出来ません。
リズムパターンを考える時の組み立て方を4つ紹介します。
- 基本のリズムパターン
- バスドラムとベースのマッチング
- 右手の刻み
- 装飾
基本となるリズムパターン
まずは、基となるリズムパターンを選びます。
8ビート、16ビート、スウィング、頭打ち、などの基本的なスタイルを決めます。
バスドラムとベースのマッチング
バスドラムとベースのマッチングを行います。
簡単に言えば、ベース(弦楽器のベース)のリズムにバスドラムを合わせることです。
ドラムのリズムパターンにベースが合わせることもあります。
どちらが先なのか、優先なのか決まっているわけではありません。
バンドの作曲時には、ベースプレイヤーと、どの拍を強調させるか話あったりもします。
あえて合わせずに、バスドラムは4分なのに、ベースは多彩なリズムで演奏する、なんてこともあります。
右手の刻み
右手はハイハットで演奏することが多いですが、別に決まっていません。
ハイハット以外の右手の刻みは以下の4種類が代表的です。
- ライドシンバル
- フロアタム
- スネアドラム
- 右手無し
色々変えてみると面白いです。
装飾
基本となるリズムパターンに色々付けくわえて飾り付けることをします。
例えば、ハイハットオープンをしたり、スネアドラムを多めに入れたり、なんやかんやします。
例として、ダブルストロークを入れたリズムパターンの動画を載せておきます。
2.フィルイン
フィルインとは、曲の展開に応じてタムやスネア、シンバルを使ってカッコよく演奏することです。
オカズ、とも言われています。リズムパターンがご飯なら、フィルインはオカズ、という例えでしょうか。
曲そのものがご飯、とも考えた方が正解かもしれません。曲に合うフィルインを何か考えるのがドラマーとしての価値、みたいな部分もあります。
フィルイン100連発の動画
フィルインの例として、フィルイン100連発の動画を載せておきます。
3.キメ(シンコペーション)
キメ、とはその曲特有のリズムを強調した部分です。
例えば、ゴールデンボンバーの女々しくての冒頭とかです。
ダカダカダン!ダカダカダン!ダカダカダン!ドゥン!
めめしくて めめしくて めめしくて
みたいな感じのところです。
一方、シンコペーションとは、強拍をずらすことです。
例えば、ルナシーのロージアのサビとかです。
シンコペーション100連発の動画
シンコペーションの例として、シンコペーション100連発の動画を載せておきます。
初めてのドラム練習用リズムパターン9選
初めてのドラム練習用リズムパターン9選を紹介します。
前置きが長くなりましたが、練習してみてください。
リズムパターン9選の動画
初めてのドラム練習にオススメな、リズムパターン9選の動画です。
リズムパターン1(8ビートの代表例)
リズムパターン1は8ビートの代表的とも言えるリズムパターンです。
これはロックドラムにおいて一番多く出てくるパターンだと思います。
他のドラムレッスンでも最初に練習することが多いのではないでしょうか。
楽譜
コツ
バスドラムとスネアドラムは大きな音で叩きましょう。
クイーンと言うバンドのウィーウィルロックユーの冒頭をイメージしましょう。
ロックドラムはバスドラとスネアでリズムの核を作っていきます。
口で歌うと、ドンパンドドパン♪となります。
リズムパターン2(ハイハットオープンを加えた形)
リズムパターン1の最後にハイハットオープンを入れた形です。
ハイハットは左足で操作します。
踏むとクローズ音(チッ)、緩めるとオープン音(チー)が鳴ります。
最後の1打を変えるだけで違うパターンに変わります。
楽譜
コツ
ハイハットオープンは、しっかりと押し込んで叩きましょう。
ハイハットシンバルは、トップとボトム、2枚のシンバルで構成される楽器です。
ハイハットオープン時には、ボトムのシンバルまで叩くつもりで押し込んで叩きましょう。
しかし、初心者に多いのは、左足に意識の多くが向けられてしまうことです。
ハイハットオープン時は、押し込み具合によって音が大きく変わります。
まずはしっかり押し込んで叩けるようにするのがオススメです。
(音楽的に押し込まずに叩く方がベターの時もありますので、色々な力加減でハイハットオープンを演奏できると素敵です!)
リズムパターン3(8ビートの定番)
リズムパターン1のバスドラが異なるパターンです。
これも8ビートでは定番のリズムパターンです。
バスドラムを叩くタイミングを変えるだけで違うパターンになります。
楽譜
コツ
バスドラムのタイミングが難しいところです。
まずはスネアドラムとバスドラム(左手と右足)だけで演奏して、大きなリズムの流れを把握するのがオススメです。
ハイハット(右手)が一定のリズムを刻んでいるので、基準にしがちです。
しかし、ロックドラムはバスドラムとスネアの掛け合いが大切なので、しっかり自分で聞けるようにした方が良いです。
(僕もまだまだですが、意識しています!)
リズムパターン4(ディスコビート)
リズムパターン4は、ハイハットの裏打ちパターンです。
ディスコビートとも呼ばれます。
邦楽ロックのサビでは良く使われています。
アルバム買うと1曲のサビは絶対コレじゃないでしょうか。ってくらい頻出するリズムパターンです。
楽譜
コツ
両足は同じ(厳密には少し違う)タイミングで動きます。
左足も使うので難易度が上がりますが、左右の足が同じだと意識すると少し簡単になるかもしれません。
また、必ず出音を聞くようにしましょう。
シンプルながらも、録音して聞いてみると思ったように叩けていないこともあります。
リズムパターン5(16ビート)
リズムパターン5は16ビートの代表的なパターンです。
吹奏楽ドラマーの場合、演奏会のプログラムでは8ビート系よりも16ビート系の曲が多いこともあります。
楽譜
コツ
右手でハイハットとスネアドラムを行ったり来たりするので難しいです。
スネアドラムのタイミングがズレやすいので注意しましょう。
ハイハットを少し低くしてスネアドラムと近づけると叩きやすくなります。
その代わり、手をクロスさせにくくなりますので、バランスの良いセッティングを模索しましょう。
リズムパターン6(ダブルタイム)
リズムパターン6はダブルタイムと呼ばれるパンクの基本ビートです。
曲中では、少しバスドラムを変化させたパターンが多く使われますが、リズムの根本はこのパターンですので練習しておきましょう。
楽譜
コツ
初心者に多いのが、スネアドラムが忙しくて弱くなってしまうことです。
オープンリムショットで力強く演奏しましょう。
(関連記事)ドラムのリムショットのやり方・使い方を全力で解説してみる
吹奏楽系の場合は、マーチ風に演奏することもあります(ブラボー・ブラスやディズニーメドレーなど)ので、小音量でも練習しておきましょう。
リズムパターン7(頭打ち)
リズムパターン7はスネアを頭拍で叩くパターンです。頭打ちと呼ばれます。
ZARDの負けないでのサビでも使われています。
楽譜
コツ
スネアが命です。まずはスネアドラムとバスドラムで練習してみるのをオススメします。
ハイハットはコピーする曲によって音色(開け具合)が異なりますので、
半開き~全開まで練習しておきましょう。
スネアドラムとバスドラムはしっかり叩きつつ、ハイハットの音量だけ抑えるような演奏も出来ると対応できる幅が広がります。
リズムパターン8(ライドカップの裏打ち)
リズムパターン8は、ライドシンバルのカップを裏打ちするパターンです。
雰囲気が独特です。カップを叩くと自然とドラマーを見てしまう人も多いのではないでしょうか。
楽譜
※楽譜でカップを現わすときは、上に”▲”や”^”を付けることがあり、明確な定義はありません。
cupと書かれていることもあります。音源を聞いて判断することが多いです。
コツ
コツはハイハットのセッティングにあります。
ライドシンバルのカップの話なのにハイハット?と思うかもしれません。
初心者の方に多いのが、セッティングして座った時に、左を向きすぎてしまうことです。
机に座った時に、左右90度より後方って見にくいですよね。
ドラムも同じで、なるべく正面に向いて座ることで右側の楽器が叩きやすくなります。
僕はなるべくハイハットをバスドラムに近づけています。
スネアドラムの中心よりも前にセッティングしています。
引用:YouTubeより 吹奏楽 ルパン三世 ドラム 叩いてみた 譜面付
リズムパターン9(フロアタムで刻むパターン)
リズムパターン9はフロアタムで刻むパターンです。
左手が自由になるので、2・4拍のスネアドラム以外にハイタムも混ぜてメロディアスに演奏するパターンです。
楽譜
コツ
2拍目と4拍目のスネアドラムの打ち方が変わります。
打ち方が変わるとは、打った後が変わるということです。
2拍目のスネアドラムの後は、次にタムを叩かなければいけません。
その為、押し付けるのではなく、タムの方向へバウンドさせるイメージで叩いています。
あとがき:リズムパターンを制するものはドラムを制す
ドラムの演奏時間における割合が最も高いのはリズムパターンです。
曲にもよりますが、9割くらいはリズムパターンを演奏している時間に充てるわけです。
つまり、色々なリズムパターンを練習しておく事が上達への近道なのです。
例えば、ある曲をコピーする時に、すでに叩けるリズムパターンしか登場しない場合、
どこでどのリズムパターンを叩くかを記憶することが曲の練習の大半となります。
つまり、時間の大半をフィルインとキメを練習に充てることができるのです。
僕はYouTubeで叩いてみたチャンネルも運営していますが、
1~2時間で耳コピして、スタジオで30分~1時間練習してすぐに撮影しています。
この記事で紹介しているフレーズ集はコチラです。
話を戻します。
リズムパターン以外の、フィルインやキメも、大半の曲であれば『お決まりのやつ』ってのが大体あるんです。
つまり、リズムであれフィルインであれキメであれ、
以前に叩いた事がある(言われれば直ぐに叩ける)状態にするというのが大切です。
自分の引き出しに入れておく事で、1曲演奏するのに準備する時間が劇的に短くなります。
これは赤ちゃんが言葉を覚えていく過程と似ています。
知っている語彙(ドラムフレーズ)を組み合わせて表現を行うのです。
もちろん、フレーズが全てではなく、より良いリズムで叩く気持ちも大切です。
しかし、リズム感は永遠の課題になりがちなので、初心者の方はまずはフレーズをひたすら叩きこなしていくことが上達の近道かなと思います。
以上となります。ありがとうございました。